住んでいる街について
どうやら、ひまわり畑が街の名物の一つらしい。
会社の同僚にそんなことを聞いた。
そう言えば3年住んでいるのに一度も行ったことがない。
ちょうどヒマだし、今週末行ってこようかな、などと話をしていた。
そんなわけで、今日はそのひまわり畑を見に行った。
僕が住んでいる街はとても小さい。
市街地は歩いて外周を回れるくらいに小さく、山や原野、田畑が間近に迫る。
郊外にはほとんど何もないので、自然と足が向かない。
そんな郊外の山中に、ひまわり畑はあった。
「なるほどね」というのが感想だった。
確かに花はとても綺麗だし、丘の上に登れば景色もなかなか良い。
個人的には「来てよかった」という満足感を得ることが出来た。
しかし、わざわざ観光に訪れる人がいるかと言われると、はなはだ疑問だ。
向かう途中に「こっちがひまわり畑だぞ!」という看板は皆無。
辛うじて入り口付近に数本ののぼりが立っているだけで、危うく見過ごす所だ。
しかも、入ってみると車を停めるスペースはほとんどない。
舗装の道はすぐに途切れ、シームレスに畑に繋がっている。
そして畑には、申し訳程度の案内看板が立てられているだけで、他に何もない。
国道沿いにあるならともかく、人里から離れた所にあってこれは致命的だ。
帰り道、「こっちに行くとナントカの滝」という看板が目に入った。
興味を惹かれ、せっかくだし・・・と曲がって行ってみた。
しかしその道は少し進むと未舗装の砂利道に変わった。
完全に林道、それも、車一台がやっと通れる道幅である。
どう考えても、普通の小型車で行くような道ではない。
途中にポツンとあった休憩所でなんとかUターンして辛くも脱出した。
ホコリまみれになった車を洗車しながら、観光資源とは…と考えさせられた。
人口流出が止まらないなどと嘆く前に、整備すべきものがあるのではないか。
今日の一言
街の本質は、郊外にこそ現れる。